イタリア日本商工会議所名誉副会頭
在ミラノ
日本国総領事館総領事
東 博史(あずま ひろし)

この1年、私も毎月の理事会やトリノ、ローマでの分科会、ジェノバ、トレントへのプントディインコントロ等、商工会議所の活動の多くに参加させて頂きました。商工会の皆様の活動に改めて御礼申し上ます。

この数年、在留邦人が増加傾向にあり、一昨年の後半からは日本企業がイタリアに戻り、金融面で3大メガバンクの支店がミラノに揃う等、昨年前半までは経済面で上昇基調にありましたが、昨年秋頃から若干減速気味となっています。他方、日伊ともに経済が減速気味である中でも、在伊日本企業及び、日本へ進出したイタリア企業の多くは比較的順調に業績を挙げておられます。

 

昨年は、日本において大規模文化行事「プリマベーライタリア」の開催がありましたが、この一年北伊においても対日関心の高まりを実感しました。

昨年の日本人会主催の「ラフェスタ」やアニメに関するボローニャでの講演会には多くの伊人が目を輝かせて日本文化に関心を示しました。日本食ブームも健在で新しい日本料理店の出店も相次いでいます。

また、昨年のミラノサローネでも和風をイメージした家具調度品が多数展示され、伊にも「ジャポニズム」がやってきたとの感を強くしました。

さらに、伊人が自ら日本文化に対する深い理解に基づいた本格的な文化行事を伊各地で開催しています。

本年2月に、BIT(国際観光見本市)がミラノで開催され、日本も6年ぶりに出展したところ、BITの首脳に歓迎され、開会初日の演説でも唯一日本の参加について紹介されました。日本ブースには大量のイタリア人が詰め掛け資料はすぐになくなり、ここでも対日関心の高まりを実感しました。

また、地方では空手大会なども開催されており、イタリアの空手人口は30万人と言われております。華道や茶道もそうですが、単に「空手」や「お茶の飲み方」を学ぶだけではなく、その裏にある日本の精神を学び生活や仕事の糧にしようというイタリア人が増えています。

イタリア人・日本人共通の長所として「感性の高さ」が挙げられますが、文化面のみならず新たな「感性に基づく産業」(例えば服飾や工業デザイン等の分野における日本の伝統的精神に基づくものづくりやイタリアの斬新な発想と日本のテクノロジーを合わせて新しいものを生み出す等)を興していくことが日伊間の貿易・投資を広げていく上での課題となるのではないかと考えています。

本年4月に開催される「ミラノサローネ」では初めて本会場に「日本」が出展することが決定しており、これまでの様に日本のバイヤーがイタリアの家具を買い付けるだけではなく、逆に日本の家具を持ち込んでイタリアに、さらにはイタリアを経由して世界に販売するという試みがなされます。

本年は、日伊ビジネスフォーラムが5月にヴェネツィアで開催され、日本では7月にG8サミットが開催されるなど、日伊間の関係を強化する機会が増えます。また、ミラノ市の念願であった「2015EXPO」の開催も決定し、今後、ミラノ市のインフラ整備やデザイン、食品、環境関係事業等の面でも日本企業との関係強化が期待されています。総領事館としても大使館やJETROと協力し、企業11社の活動及び地方公共団体との連携、文化面での連携など、官民が協力して「オールジャパン」で日伊間の経済関係を強化する方向を作っていきたいと考えていますので、本年も宜しくお願い致します。

2008年4月