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在イタリア日本商工会議所名誉会頭
本年イタリアでは4月の総選挙により2年ぶりに中道右派が政権に復帰しました。大きな流れとして全体をとらえますと第二次大戦後しばらく続いたキリスト教民主党中心の体制の崩壊後イタリアでは時に右派に、時に左派に政権を託す「模索」が今日まで続いているように見えます。
経済、社会面では昨年から本年にかけて残念ながら芳しくない報道が続いています。ナポリを州都とするカンパニア州のゴミ問題は世界中を驚かせました。アリタリア航空売却の件も不調が伝えられています。イタリア経済全体をみてもそのパフォーマンスは芳しくありません。特に外国のメディアはイタリアについて悲観的な調子をとるものが多く、政治では左右の間を揺れ動き、経済、社会でも問題が山積し、国内には不安と不満がみなぎっているかのような論調も見られます。
しかし実際にイタリアで暮らしている私の実感はいささか異っており、多くが中小企業であるイタリアの企業は、様々の事件と内外からの批判にさらされつつも、確固たる自信を持って、何ら動ずることなく己の道を歩んでいる感じを受けております。日本を始め海外進出を積極的に進める企業も少なくありません。この国の人々、特に企業人は、地に足の着いた、すぐれて現実的、実際的、即物的な思考を身に付け、己の将来は他に頼ることはせず自らの責任で決するという根本的姿勢を有しています。外から見ると大きく見える「混乱」もイタリアの企業人にとっては、「新しくもない」「折り込み済み」のことなのかもしれません。もちろんこの国における「改革の必要」を力説する企業家もおります。確固たる自信と必要な改革をいかに結びつけていくか、この面でもイタリアは道を「模索」している感があります。
このところ新たにイタリア進出を検討している日本企業が増加しつつあるとの心強い話も仄聞しております。諸々の困難にめげず我が国企業及び在イタリア日本商工会議所各位が益々御活躍、御発展になられますようこの機会を借り重ねて祈念申し上げます。 (了)
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